下腿・足部の症例

足のしびれ・放散痛・違和感といった上位が疑われる症例は腰部・背部の症例ページを確認してください。

下腿部

シンスプリント

過労性脛部痛とも言われ、上1/3と下1/3の疾走型(スプリント)と中1/3の跳躍型(ジャンプ)に大別される。Overuseの骨膜性炎症が本態であり、シンスプリントはWBから足部までの広範囲で整復が必要です。

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静脈瘤

腓腹筋ポンプの働きが低下し、静脈機能の低下により瘤(こぶ)が形成されている。基本的には無症状ではあるが人によっては圧迫感、疼痛、外観上の問題を訴える。

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アキレス腱炎・周囲炎

局所のOveruse。急な負荷(ターンやダッシュ、ジャンプなど)の蓄積。局所的な腫脹、熱感があり、20~60代と幅広い。周囲炎の場合はびまん性。腱の変性がのちの断裂を引き起こすリスクを高めると理解する。

アキレス腱断裂

ジャンプ、着地、階段を踏み外した時などに起きる外傷性。周囲に断裂音が聞こえる程に大きい衝撃がある。断裂部に陥凹が診られ、完全断裂の場合は疼痛は軽度。つま先は動くが、つま先立ちは不可。20~60代と幅広いが、若年者は腱痛が先にある。トンプソンテスト陽性。

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アキレス腱滑液包炎

足に合わない靴(ヒールやパンプスなど)を使用することで起きる。主に歩行痛があり、足関節底屈で疼痛緩解。女性に多い。数ある滑液包炎の中でも生活に著しい痛みを起こす。

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足部

足関節捻挫

距腿関節および遠位脛腓関節の捻挫。アライメント不良のように強い捻挫を起こす場合や変形性足関節症のような変性が起きた場合。それぞれに対応が異なる。

腓骨筋腱炎(外果後方の痛み)

膝の外側から始まり、足首の外くるぶしの後方を通って足の裏などに付着する「腓骨筋」の腱の炎症です。腓骨筋腱溝で起きる滑走障害で、腱鞘炎の一種。

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足底筋膜炎

足のアーチ構造を支える足底腱膜が炎症を起こしている状態。特に足底腱膜付着部に圧痛があり、アーチ構造や歩容などによる足底筋膜(および腱膜)の牽引応力の発生が原因。

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踵骨棘

発生原因は過荷重または非荷重により、牽引応力が足底腱膜付着部に対して牽引応力が働き骨片が異常仮骨形成されていく病態。骨棘形成後は足底部の異物感(または限局性疼痛)が感じられる。

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セバー病(シーバー病、踵骨骨端症)

・早期の運動負荷がかかり、脆弱な骨端核に慢性的な牽引応力が生じている。10代前後の男子に多い。荷重痛、運動時痛、踵をかばう先足位歩行。踵骨後下方の疼痛、踵骨結節部周囲に痛みがある。

基本はWBの整復ができれば早期改善します。

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足根洞症候群

足関節捻挫後など、外傷後に距踵関節の不安定性などによる炎症性疼痛。明確な捻挫がなくても、不整地での立位や歩行による微細捻挫、足に合わない靴などによって発生。足根洞を中心に足の外側に不明瞭な疼痛が起きる。

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足根管症候群

足の手根管症候群ともいえる。ガングリオンの発生、距踵関節関節の不具合や骨癒合などにより、第1趾または踵部への放散痛やしびれが起きる。夜間痛があることも。歩行で悪化する。足根管部への圧痛やチネル徴候あり。

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第1ケーラー病(舟状骨骨端症)

内側縦アーチで荷重、圧迫力が高度となって発生。3~10代前半の男子に多い。疼痛回避のため外側荷重かつ踵足位歩行となりやすい。舟状骨に圧痛。

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第2ケーラー病(フライバーグ病)

第2または第3中足骨の骨頭部分が広く平らに変形する。10代に多く。狭い靴などによる長軸上の圧迫、または横アーチ形状の不整などによる血行障害の一種とみられている。MP関節の底背屈制限があり、中足骨頭に限局性の圧痛がみられる。

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外脛骨障害

足部過回内や偏平足による足底アーチの低下、支持力低下が起因となって起きる中足部痛。スポーツ後に症状が出現しやすい。10代に好発。舟状骨の内側膨隆部に圧痛がみられる。

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足趾

外反母趾

一般的に遺伝やホルモンの内因、偏平足や足に合わない靴を使う外因がある。MP関節内側の胼胝形成、バニオン部の発赤腫脹がみられ、痛風との鑑別を要する。40歳以降の女性に多いと言われていたが、近年の歩行不足や生活環境の変化により低年齢化している。

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強剛母趾

MP関節底屈位になり、背屈制限が強い。ときに発赤、腫脹もある。疼痛回避のため、外側荷重の歩行となる。

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モートン病

第3・4足趾間の圧痛や先端へのしびれを感じる。放散痛、灼熱感や知覚異常が起きる。30~60代に好発。

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痛風

プリン体代謝異常の非外傷性。腫脹、発赤、熱感が著明な超急性関節炎発作が起きる。第1趾MP関節内側部の痛みが強いため、外反母趾や強剛母趾との鑑別が必須。

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