腰部・背部の症例

腰部痛

腰痛

筋筋膜性腰痛症が一般的です。弊社では骨盤や背骨の潤滑不全から発生する腰痛症を念頭に置いていますが、世間一般で認識される「腰痛症」との違いについては理解しておきましょう。

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ぎっくり腰(急性腰痛症)

急性炎症性の腰痛。安易に潤滑不全による腰痛と決めつけるのではなく、急性の変形性疾患(ヘルニアやすべり症)・内科的疾患・転移性腫瘍との鑑別が求められる。リスク管理が必要な症例です。

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坐骨神経痛

これは診断名ではなく、一症例に過ぎません。「坐骨神経痛と診断された」は誤りであり、何かがあって坐骨神経に痛みが出ているのが本態です。また症例に振り回されるのではなく、どの部位がどのくらい非生理状態に陥っているかを知るのが大切。

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腰椎椎間板ヘルニア

軟骨である椎間板の一部が脱出(ヘルニア)し、神経を圧迫して痛みが出る。急性ヘルニアのように脱出した直後に出る痛みは非常に強い。場合によっては投薬、安静、固定を念頭に置きつつ、経過を追う必要もある。

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腰椎すべり症

分離症が背景にあり、椎体が前方へ滑って神経を圧迫している。脊柱管の圧迫が強い場合は馬尾神経や神経根症状が出るため、管理が難しい方もいる。基本は変性すべりとなるため、変形や変性が完結後は症状が縮退する。

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脊柱管狭窄症

脊柱管内の狭窄によって起きる神経症状。過去の変形性疾患、脊柱管の変性など様々な理由によって狭窄が起き、特徴的な間欠性跛行を呈する。

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学生の分離症

10代を中心に起きる疲労骨折の一種。第5腰椎に好発する理由が捻転応力の制限によるものだと考えられ、WBや股関節の機能改善を基本とする。ただし、疲労骨折の進行度が強い場合は安静が第一となり、末期では癒合して骨折部位は分離したままとなる。

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圧迫骨折

転倒時に尻餅をついて起きる圧迫骨折は外傷性で、問診で判別がしやすい。
ただしB3周辺で起きる圧迫骨折の場合は、手すりやつかまり立ちからくる牽引性の圧迫骨折(バキューム効果)が考えられる。棘突起の圧痛を中心に鑑別し、怪しいと思ったらリスク管理も含めて医科を勧めることもある。

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変形性脊椎症

加齢による退行性変性の疾病。無症状の方も多い。機能低下が先に来るため、私たちは骨の問題を先行して伝える必要がここにある。「筋肉だって言うけど痛みが取れないから病院行ったら脊椎症って言われた」なんて会話があったら、筋筋膜性だけを伝えるリスクがここにあります。

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強直性脊椎炎

体軸性脊椎関節炎で、男女比は約3:1と男性に多く、ほとんどが40歳以下で発症します。仙腸関節を中心に炎症が起き、X線でも分かる骨変性が進んで強直化(関節が癒着して動かなくなる)し、関節が動かなくなる。

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背部痛

左背部痛

胃・心・膵といった内科的な疾患が懸念される。この場合、前(胸部・季肋部・腹部)に何かしらの症状を呈することが多い。リスク感度を上げて、問診や触診で確認すること。左肩甲間部(心臓神経反射点)の圧痛は要確認。

明確な原因がある筋筋膜性や背骨の固さなどはその最後に判断される。

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右背部痛

肝・胆といった内科的な疾患が懸念される。この場合、吐き気や腹部に何かしらの症状を呈することが多い。リスク感度を上げて、問診や触診で確認すること。

明確な原因がある筋筋膜性や背骨の固さなどはその最後に判断される。

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帯状疱疹

体内に潜む水痘・帯状疱疹ウイルスが免疫力の低下によって発症する。治療院においては稀に出くわす症例です。皮膚症状が治癒した後も痛みが残ることがあり、これは帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれる合併症で背中や腹部の痛みを訴えた際には確認しておくこと。

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側弯症

10代から起きる特発性側弯症、加齢による変性側弯症の2種類がある。

特発性側弯症は原因が不明ではあるが、構造医学ではWBに対する衝撃(尻餅、落下、床座り/歩行不足)を念頭におく。
変性側弯症は突発性で、若年であればWB整復とベーラーマットのリダクターなどで早期に改善します。

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後縦靭帯骨化症OPLL・黄色靭帯骨化症OFL

難病指定の後縦靭帯骨化症は頚椎に多く、黄色靭帯骨化症は胸椎に多い。そのため前者は手足のしびれ感が出て、後者は足のしびれ感が出現する。0→100ではないので、一定数の骨化および狭小化はあり得るが、各レバーアームの改善で回復が難しい場合は進行もあり得ると思われる。

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病理的な問題

ごく稀に病的な問題が起こす腰背部痛があります。これを明確に区分することは困難ですが、基本として①安静時痛、②前面の痛み、③実質(骨など)の痛みでリスク感度を上げて確認する他ありません。
初回に病理的なリスクを伝えた上で、数回の通院後に医科も併用して進めることを提案するのが理想です。その際は高回数のチケットは販売しない。

脊髄腫瘍・転移性脊椎腫瘍

脊椎および脊髄に転位する腫瘍は脊椎の叩打痛や安静時痛でリスク感度を上げて確認する。内臓へ転移した場合も同様。

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婦人科系疾患

子宮筋腫、卵巣腫瘍や子宮体がんで生じるよう腰痛、背部痛を明確に鑑別することは困難です。生理周期や月経の状態なども考慮して聞く必要がある。

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泌尿器系疾患

尿管結石による突然の背部痛や側腹部痛は急性の強い痛みが多い。腰部に近づくと下腹部の痛みや圧痛もあるため鑑別はしやすい。

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循環器系疾患

大動脈解離や大動脈瘤破裂でも突然の胸部痛、背部痛が起きる。前兆の無い急な痛みなので、既存患者ほど重要なほど問診が重要となる。

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