変形性膝関節症 眞部

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整形外科的理解

なぜ変形性膝関節症が起きるのか?

加齢や肥満、若い頃の膝への外傷、O脚、化膿性関節炎などの感染の後遺症などが原因となり、

関節軟骨のすり減り、弾力性が失われ関節が変形します。

一般的な変形性膝関節症の治療は?

整形外科

痛み止めの内服薬や湿布、関節内にヒアルロン酸注射・運動療法

改善がみられない場合は、関節鏡手術・骨切り術・人工関節置換術の適応となります。

他の治療院

手技療法(マッサージ)で、膝まわりの硬くなった筋肉の緊張をゆるめて、循環を改善して、炎症を減らしていきます。

またハイボルト療法や超音波治療器、鍼などを併用すると痛みの軽減を図る。

下肢の筋力低下を防ぐためにEMSなどを使用してトレーニングを行う。

検査・鑑別

問診や診察、触診で膝内側の圧痛の有無、関節可動域、腫脹、O脚変形などの有無を調べ、

単純X線(レントゲン)検査で診断する。必要に応じてMRI検査などもします。

構造医学的な理解

変形性膝関節症の根本的な原因と診立ては?

根本的な原因

膝が悪くなる原因は、

95%→WB+股関節由来 3%→WB+足由来 2%→直接外傷であり、膝単体で損傷している人はほとんどない。

膝の動作は①直接荷重、②股関節の吊り下げ

①直接荷重

過去のスポーツ歴や歩行不足、立位姿勢などで膝に対して真っすぐ荷重が掛からないから膝には隙間ができる。

隙間ができるとアライメントの不整が必ず出てきて、半月板の密閉作用が低下し荷重による場の平行化が成されない。

圧が高いが半月板も損傷しやすくなり、パテラも圧の高い方へ引っ張られる。

変形性股関節症は屈曲障害が多いが正座が出来ないということは股関節に問題が起きていることに繋がっており、WBもAS系がひどい状態がある。

②股関節の吊り下げ

膝の基本動作はスクリューホームムーブメントで膝関節が屈曲位から伸展する際に、外旋動作が受動的に入る。

大腿骨の回旋は、股関節とのジョイント部である腸骨(WB)の角度によって決まる。

股関節が外旋位の場合

歩行不足や座位時の不良姿勢は、腸骨が外側に傾きやすくなる。歩かないと荷重が踵側に乗りやすくなって後傾してくる。そうすると、腸骨が牽引力で前方に回転しやすくなり、股関節は外旋する。

股関節が内旋→過去の尻もとや非荷重をかばった時。

したがって、WBや股関節に問題があると①と②の機能の破綻は膝が潤滑不全となり変形を繋がる。

診立て

AS系:屈曲障害。膝の外側の痛み、立位時に屈曲膝、男性に多い、サッカー、バスケ競技者

PI-t系:伸展障害。膝の内側の痛み、立位時に反張膝、女性に多い、前後のダッシュが多い競技など。

※両方できない場合は合併している疑いが強い、曲がらない・伸びないは機能障害。

スクリーニングや歩容だけではなく、症状や形状、生活環境を踏まえてWBや股関節の状態を把握していくことが大切。

変形性膝関節症に対する施術方法は?

損傷した膝は、上下関節(上:WB・股関節、下:足関節)のねじれを取ったうえ、かつその上の荷重をかけて再構築される。

膝の潤滑が2割、曲げ伸ばしできる環境づくりが8割。荷重と抜荷重を繰り返すことで、外部圧力機構と内部圧力機構の回復を図る。

手技療法

面圧・股関節潤滑や筋ポンプ・動圧や静圧・足部潤滑、整復

リハビリ・治療計画

治療計画

膝に対してきちんと荷重が掛けられる状態にする為に、WBや股関節、足関節と全体を診ながら荷重できる環境づくりを行う。また、腫れや痛みが強い場合は、冷却・加圧を優先する。

リハビリ

運動療法は、膝押し体操、はいはい、MA、WB体操、アーサナなど。

生活指導は、歩行や立ち方、座り方、靴の履き方など。

その他

鑑別するべきその他の症例は?

・膝蓋大腿関節症

・O脚、X脚

・反張膝、屈曲膝

・関節リウマチ

変形性膝関節症でよくある質問

Q.なぜ膝に水が溜まるのか?

膝に水が溜まるのは炎症に対する防御反応です。火傷に水ぶくれが出来るように、関節水腫は関節内部の過剰な熱エネルギーに対する結果です。病院では関節水腫に対して注射で水を抜く治療を行いますが、炎症が残存している限りは再び水腫が発生してしまい、繰り返される熱によってタンパク変性が進み変形します。

基本は冷却、加圧です。

水腫の場合は熱エネルギーが膨大なため、おしぼり等で温めて→冷やすを行うと血流促進が成されて早期改善につながります。またヒザ押し体操、ランジといった関節を加圧することでバイオトライボーの機構が活発化し流路が形成される。