※オスグッド病

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整形外科的理解

なぜオスグッドが起きるのか?

一般的なオスグッドの治療は?

検査・鑑別

構想医学的な理解

オスグッドの根本的な原因と診立ては?

骨の成長速度、筋力筋量の発達速度の不均衡が起きる。四頭筋の筋緊張が強いため、牽引力が働いてしまう。

この牽引力がなぜ発生するのか?理由は2つ考えられる。

❶PI-tの発生により、大腿四頭筋および筋膜皮膜の緊張増大
❷膝蓋大腿関節の捻挫・潤滑不全による滑車機能低下

なお、スポーツの競技特性も考えられるが基本は以下の要素があり、「このスポーツだから必ずなるもの」ではない。

・運動量が多い
・運動量に耐えられない肉体の強度不足(歩行量が少ない、体が固い、姿勢が悪いなど)
・ケガの既往

基本的には❶のPI-t系からくる代償性変性なのでWBの整復ができれば早期改善します。
❷潤滑不全=ASという捉え方ではなく、状態として潤滑不全があれば潤滑の獲得は必要となる。

基本スクリーニングとパテラの遊びをみる。両側オスグッドも懸念されるため、指標は健常者からみた可動範囲やグズグズ感。

PI-tの強さ、深さを知りたい。圧痛部位で他疾患との鑑別を図る。

オスグッドに対する施術方法は?

手技療法

・整復ポイントはWB、Hip、パテラとなる。
PI-t整復は痛みが強かったらやる場合があるが、大会までの日にちが近い場合は疼痛憎悪のリスクもあるため避ける。日数が十分にあり、PI-t整復後のケアが出来る余裕があれば整復することもある。

・パテラの対応について
整復処置または水ピーでパテラ全体を圧迫しながら足底抵抗圧で足の曲げ伸ばしを行う。

・脛骨粗面の剥離部位について
母指示指で包むように突起部を把持して圧をかける。潤滑感が得られれば良い。

・足関節の対応について
オスグッドを発症する子の多くは足関節の背屈制限が強い。これは歩行不足によるものと考えられる。足関節の整復やミルキング、カーフレイズも出来れば行いたい。

ジャンプやランニングの着地時に痛みを訴えることが多く、足部からの緩衝力が低下している点も見過ごせず、足関節の可動域制限が強い場合は載距テープや足関節テープを貼ることがある。

・療具
四頭筋のローラーを長めに掛ける。置性ローラーがあれば優先して実施し、疼痛改善に伴い患部(脛骨粗面)付近へのローラーもかける。

・テーピング
PI-tテープⅠ、Ⅱを使い分ける。
そこからさらに脛骨粗面のメッシュ、膝のY字テープやシャネルテープなどを重ねて貼る。

運動療法

・ストレッチの禁止は必須。ただしストレッチ信仰が強いことを十分に配慮して「今はまだやる時期じゃない」と伝え方に気をつける。

・重症度が高い時
足上げ、ハイハイなど四つ這い姿勢は膝が床に接触するため、膝サポーターやバスタオルの上で行うこと。それでも痛い場合は重症度が高いため、高さのあるイスでヒザ押し体操から始める。

・痛みが改善してくる中度~軽度
レッグランジや後屈立ちといった荷重系の体操を取り入れるが、PI-tの具合をみて負荷量を決めていく。痛みが強くなる(特に余韻が残るような)場合は無理せず、バランス系(足上げ、ハイハイ)などに留めておく。

インソールが非常に有効

フォームソティックスの備える足底環境の改善は足部の緩衝力を大きく改善してくれる。

リハビリ・治療計画

床座り、固いイスに座ることを極力避ける。特に学生期は床にあぐらで座る場面も多くある。ハンドタオルでいいからお尻を優しく保護していきたい。

また座り方については、猫背座りや足組みは避ける。

歩行時に足関節の背屈力を意識すること。ただし、墜下歩行(PI-t悪化)にならないよう注意。

その他

鑑別するべきその他の症例は?

・ジャンパー膝:圧痛の部位が違う。オスグッドの方が脛骨粗面が腫れている
・半月板損傷
・十字靭帯損傷
・たな障害(滑膜ひだ障害)

オスグッドでよくある質問