※分離すべり症

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若年層で起きる分離症とは似て非なるものなので要注意。

整形外科的理解

なぜ分離すべり症が起きるのか?

分離すべり症は、なぜ骨折するのか?なぜ滑るのか?を理解する必要があります。

Q.なぜ骨折するのか?

学生時代の運動過多も考えられ、既に若年層で偽関節になっている場合も多い。スポーツ全盛期で腰痛があったかを聴取すること。必ずPI-tというわけではない。

運動量が減り、青壮年期で分離症が起きる場合は腰椎捻転による不全骨折および完全骨折が疑われる。

Q.なぜ滑るのか?

骨性支持の少ない(または弱い)分離した状態(偽関節)で、姿勢不良やさらなる骨変性によって椎間関節の剛性強度が下がり、上位椎体が前方へ変位するのがすべり症です。

上位椎体が前方へ滑るということは、下位椎体(および仙骨)は後傾していく力があり、剪断力の発生に伴い滑る環境が作られる。

分離そのものの問題よりも、椎体が滑って神経を牽引するほどの滑り度合いが強いとアウト。そこを見極めるのが難しい。

一般的な分離すべり症の治療は?

検査・鑑別

レントゲン撮影で斜位像ではL5の椎弓部分(いわゆるスコッチテリアの首)の断裂がみられ、両側性の脊椎分離症である。

病院・整形外科
Linkage

構想医学的な理解

分離すべり症の根本的な原因と診立ては?

分離すべり症に対する施術方法は?

基本スクリーニングを行ってAS、PI-tを確認します。ただし、B3テストは要注意。腰部回旋がL5に強く及ぶと症状憎悪を引き起こす。数回の施術後、症状が緩解してから確認するのが良い。

すべり症そのものは構造障碍ではあるが、HipやWBの重力定量器としての機能回復を目指す。歩行周期における、足が前に出ると寛骨は前へ、対側は後ろへ行く。仙骨はこの際に相対的な運動を受け止める。

そもそもすべり症は分離が捻り応力の発生によるものならば、捻る歩行は後半にする。
本来、HipやWBで転換する力の方向が上にあるため、重心を下げるトレーニングがまず必要。

手技療法

❶ASの場合:荷重をかけて疼痛が軽くなるのを目安に症状の改善推移をみて実施。早すぎる整復処置ですぐ改善すると生活習慣の根本改善がなされないので要注意。

❷PI-tの場合:PI-t整復を実施する上での環境整備が成されたら膝胸位を行う。側臥位のPI-t整復はミスが許されないため実施は治療の後半に行うのが無難。

❸Hip整復:AorPでもまず潤滑圧をかける。WB整復で状態が変化し、次のターンまでの間にHip整復を行う。側臥位で抵抗下挙上など。

❹療具:すべり症が強いと下腿部の痛みを訴えることが多い。WBやHipだけじゃなく、下腿部など神経痛のライン上にもローラーを掛けると良い。座位や外科台でWBにローラーを掛けると効果的。腰椎変性の場合はリダクター処置も必要になり、腰椎前弯指導はリダフル(脊椎のヒートポンプ機構の回復)とセットで行うとより良い。

➎WM:ミルキングでWBのクランク運動を喚起させる。またHipの処置としてエンヤ、プッシュも有効。抵抗下で患者下肢伸展も荷重を掛ける意味で効果的か。

➏テーピング:メッシュ、ASやPI-t対応テープを使用

運動療法

ヒザ押し、ハイハイ体操の基本を行う。
それで症状が改善しない場合は、PI-tが強い場合を除いて荷重系(WB体操、前屈体操、壁足踏みなど)を行うと症状の変化が訪れる。

リハビリ・治療計画

その他

鑑別するべきその他の症例は?

圧迫骨折

脊柱管狭窄症

内科的な痛み

悪性新生物(癌)

分離すべり症でよくある質問